オンライン資格確認導入の小ネタ

少しでも役立てば幸いです

Hi-CARAと汎用カードリーダー、どっちを使う?

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実は、汎用カードリーダーと、カメラ付きリーダーでは、一長一短あります。基本的には、どちらかしか使う事ができませんので、よく考えて選択しましょう。

汎用カードリーダーは持っていた方が良い

カメラ付きリーダーを使って解ったことは「汎用カードリーダーは持っておいた方が良い」という事でした。あくまでも機械が正常に作動することだけを考えて作られたオンライン資格確認システム。高齢者・認知症患者さん・知的障害のある人も多く来院するのが、医療機関である事を考えていないのです。もしもカメラ付きリーダーしか無い場合で、マイナンバーカード受診をした時の事を考えてみましょう。

  1. カメラ付きリーダーで顔認証をします
  2. 顔認証が上手くいかない時には、暗証番号入力が必要になります
  3. 暗証番号も忘れてしまっている場合に、Hi-CALAでは「目視確認」が出来ません

つまり「顔認識が上手く行かず、暗証番号を忘れている場合で、マイナカードだけで受診をされるケースでは、カメラ付きリーダーだけでは対処出来ない」のです。なぜ最初から、国は汎用カードリーダーも含めて配布しなかったのでしょうか?

実際には「どちらか片方」しか使えない

現在のオンライン資格システムでは、一台の確認端末で「カメラ付き」「汎用」の両方のリーダーを、同時に接続することは出来ません。使い分けが必要という事になります。(後で、解決方法が無いかどうか検討をする予定です)

手軽さでは、汎用リーダーの方が優れています

  • 汎用カードリーダーは、狭いスペースで使う事が出来る
  • コンセントが不要な分、コードの取り回しなども楽である
  • カメラ付きリーダーでは、マインナンバーカードをケースに入れたままでは本人確認は出来ません。汎用リーダーでは、カードケースに入れたままでも本人確認は可能

確認方法は、カメラ付きリーダーが優れています

当院で使用しているORCAとの連携について、お話をいたします。

Hi-CARAの場合

パソコンの電源さえ入れれば、確認のためのブラウザを立ち上げなくても、自動で確認をする事が出来ます

汎用カードーリーダーの場合

確認のためには、いくつもの手順を踏まなくてはなりません。

  • 確認のためのブラウザを立ちあげる必要があります。
  • マイナンバーカードの確認画面から、カードを読み込みます
  • 「ダウンロード」ボタンを押したのち、右上にある「保存する」ボタンを押す必要があります

本人確認の安全性に関しては、カメラ付きリーダーが一歩リード

  • 一番安全性が低いのは「汎用リーダーでの目視確認のみで、暗証番号入力を行わない」ケースです。「他人のマイナンバーカードに、自分の写真を巧妙に貼り付けてごまかす」という方法があります。外来の受付は「写真が貼り付けてあるなどの加工がされていないかどうか」を確認する必要があると言えます。
  • 「汎用リーダーで暗証番号」というのは、実はカメラ付きリーダーで「顔認証が出来ない時と同じ」で、クレジットカードと同じ方式ですので、実用的と言えるでしょう。
  • カメラ付きリーダーの本人確認が、どの程度なのか下記の様に簡単に検証してみましたが、割と本人認証の安全性は高いようです。
    • 「マイナンバーカードの画像部分に、他人の写真を貼り付ける。カメラに向けて、印刷された顔写真を向けてみる」→認識されず
    • 「マイナンバーカードに印刷された顔写真をスキャンして印刷。この紙を、カメラにかざしてみる」→認識されず

どちらを選択するのか……

さて、どちらのシステムを採用するのかは、考えどころです。正直な所、使い分けと成るのでしょう。

  • かかりつけの患者さんが多い医療機関では、殆どが「顔パス」でしょう。カメラを使う必要がありませんので、汎用リーダーで、目視確認で良いでしょう。時に来る新患さんだけ、暗証番号入力で対応し、暗証番号を忘れた方はカメラを使うか、目視確認となります。
  • 新患が多く、スペースに余裕がある人は、確認のための作業がいらない「カメラ付き」のものが良いでしょう。顔が読み込めない時には、暗証番号入力という事になります。暗証番号を忘れてしまっている時には、汎用リーダーを使う事になります。

これからの機械に期待するもの

カメラ付きリーダーを実際に使ってみて「馬鹿だな」と思うのは「取り込みに失敗した時のことを考えた作りになっていない」ことです。リーダーの買い替えには、国はお金を出しません。製造メーカーは、10万円以上するリーダーの買い替え需要を見越していると思います。酷い話であると思いますが……

  • カメラ付きリーダーにも、目視だけで確認出来るモードを付ければ、一台で作業を全部完結することが出来たが、そうはなっていない。
  • 携帯電話のように、背面にもサブディスプレイが付いていて切り替えられれば、事務員が顔写真を撮影する事が出来たはずです。